2016年08月22日

なぜクライアントが完全書下ろしに拘るのか?ストックに潜む危険を考えてみましょう

今回はなぜ「完全描き下ろしとストックについて」これほど気にする
時代になったのか?

それを書かせてもらいます

まず作詞家と作曲家では少し違ってきますね。

作詞家は同じテーマでも歌う人や年齢、設定等で違ってくるので
過去に作った作品を別のアーティストにプレゼンする。

そういうケースはかなり稀です。

でも作曲家はやりようによってはストックを使いまわすことも可能です。

80年代〜90年代はストック曲って問題なく別のアーティストに提供できました。

それは前号で書かせてもらった「カセットテープでのやり取り」だったせいもあります。


ただ、現在は音楽ファイルのやりとりになりました。

そこが全然違ってきた大きな要因です。


以前は「カセット」を返してもらったら、その音源は作家に帰って来ていました。

現在は返却のOKと言われても、不特定多数の人のPCにあなたの音源が残って
いるかもしれません。

また、その音源がまた別の環境で勝手に広まっている可能性はゼロではないと思います。

それを理解する為に最近のコンペはどんな状況で行われているのか?
その一例を書かせてもらいます。



    発注       レコード会社スタッフ → 不特定多数の関係者
             プロダクションスタッフ → 不特定多数の関係者
作曲家 ←→ 制作会社 → CM制作会社スタッフ → 不特定多数の関係者
             TV局スタッフ → 不特定多数の関係者
    提出       アニメ制作チーム → 不特定多数の関係者
             クライアントスポンサー → 不特定多数の関係者

あなたが提出した楽曲は制作会社を通じて、そのプロジェクトの関係者に送られます。

そこで採用、NGが協議されるのですが、ここで問題は曲を配布された各会社のスタッフは
社内で協議する為にまた不特定多数の人に送付したとします。

という事は不特定多数の人のPCにあなたの曲が残っているという事になります。

協議の結果、あなたの曲は不採用になり、制作会社から戻しOKの連絡が来ました。

その時にあなたの曲を配布された人、全員のPCからあなたの曲が削除されているでしょうか?

トミー爺はそうは思っていません。


そしてそのストック曲を別コンペに出した時に、「○○さん、この楽曲って絶対安全な曲ですよね?」
と質問された時、あなたは「100%大丈夫です」と答える事ができるのか、、どうか?


そう考えると少しリスクはありますね。

これは考えすぎかもしれませんがトラブルが起きる可能性がゼロではない…という事を
考えるとストック曲の扱いは慎重にしなければダメだと思います。

あなたがそんなトラブルに巻き込まれないようにする為にも注意する
に越したことはないという事です。

そういう意味でコンペに参加する時は、できる限り「完全書下ろし」がより
作家側に降りかかるリスクを無くすことができるという事になります


続く…


 






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